『歯を抜かれたくない』3度目の感染根管再治療 MTA ラバーダム防湿とマイクロスコープ 東京職人歯医者 |
そして清潔な治療の場の確保。全ての治療、虫歯の治療のはじめの一歩は第一選択はラバーダム防湿法である。(→blog@ラバーダム防湿法はどのくらい行われているのだろう?)これが現実なのだろう。
自分は全ての治療で顕微鏡歯科治療を行う歯医者である。顕微鏡歯科治療専門医は日常臨床でラバーダム防湿法を多用するということで。
20年前に抜髄処置を受け以後経過が思わしくなく2度再治療をしているとのことである。3回治療を繰り返すが化膿が止まらず異和感がずっとあるとのこと。
他院では“コアは除去出来ない”“もう抜くしかない”との診断で来院された。
もちろん複数の歯科医の診断は正しいだろう。
しかし、5年でも10年でも出来るだけ歯を長く持たせる。歯科テクノロジーは常に進化している。そのときにまた最新の歯科治療を選択して頂くというのが当オフィスのコンセプトである。
このケースでは今の段階では抜くという選択はないと考えた。
肉眼での感覚的盲目的治療しか行われていないとのことで顕微鏡歯科治療は行われていないからである。
この歯自体は4度目の神経の治療となる。
患者さんと話し合い、治るかどうか分からないがこの歯にとり4度目の根管治療をやってみることとした。それぞれ別の歯科医師が3回治療しているのだから難しい治療であることは予測出来る。
マイクロスコープで治療を行う顕微鏡歯科治療専門医であればコア除去はなんなく出来るだろう。
ラバーダム防湿下でコアを除去である。
マイクロを用いて直視で出来れば直視治療を行う。ミラーテクニックは極力行わないのが他の顕微鏡には出来ないピコモラーの使い方である。
このケースは上の奥歯の治療の難症例である。
大きなバーから最後は0.6ミリのカーバイドバーで除去。
ミラーテクニックは行わない。テクニックとはすなわちリスクであるからテクニックである。直視で出来るマイクロであればテクニックは不要である。
3根管の長めのコアの除去に要した時間は60分間であった。
口蓋根に大きなパーフォレーションを認めた。周囲は感染している。数年前であれば迷わず抜歯という診断であったが、現在の歯科学の進化は凄いのである。
先進的な薬剤で経過観察し炎症所見が無くなったところでMTAで修復した。
このケースではサーモフィルで根管充填
別の根管にも問題があった。
頬側根の治療を始めたところ治療器具ファイルの破折片を確認した。ファイルの破折を未然に防ぐことはどんな歯科医でも出来ない。破折はミスではないやむを得ないこともある。除去治療を試みている形跡がある。
この後は通法どおり根管治療を行う。
ネジコロインプラント治療無事回避
このようなケースは顕微鏡歯科治療専門医であれば保存という選択をする可能性はある。
マイクロスコープなくして歯科治療なし
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