マイクロスコープは虫歯から審美歯科まで革新的変化をもたらした。標準的治療を行う歯医者には必須であろう |
医療シリーズ マイクロスコープによる歯科治療
神奈川歯科大学 口腔治療学講座歯内療法学分野
石井 信之主任教授 より
【歯科医療に革命的変化】
歯科医療にマイクロスコープが導入され、診断と治療領域に革命的変化が訪れています。歯科医療は術者とアシスタントしか見ることができない、いわゆる密室の医療と非難されがちでしたが、小型カメラを使用してチェアーサイドモニターに映し出すことによりリアルタイムで歯科医療の進行や治療内容が説明可能になりました。歯科医療は、もはや密室の医療ではなく、映画館や劇場のように公開された医療に変化しつつあります。
疾病層の治療から健康層の予防・審美治療へマイクロスコープは、あらゆる歯科医療に応用されています。う蝕治療、健康歯肉を維持するための歯面クリーニング(歯石除去と歯面研磨)や歯面の審美的積層充填(ダイレクトボンディング)、マイクロレベルの精密切削と人工歯冠物適合への応用は、審美的に優れるだけでなく歯周炎の発症を未然に防ぐ効果があります。歯科医療は疾病層の治療から健康層に対する審美(美容的因子)追及のニーズに確実に応えられるように変化しつつあります。
一方、マイクロスコープは高額歯科医療機器であることや、積極的に活用すればするほど診療時間が延長されるため、保険診療で行う限り診療報酬は減少傾向にあります。しかしながら、詳細な情報提供を望む患者層に対応するために大学病院や保険外診療を主に行う開業医を中心に国内のマイクロスコープ人口が確実に増加しつつあり、2007年に歯科用マイクロスコープ販売台数は1,200台に達しました。すなわち、全歯科医師の1%はマイクロスコープによる歯科医療を行っていることになります。マイクロスコープは、次世代の歯科医療に欠かせない医療機器になることを確信しています。正確で確実な診断と治療を目指し、歯科医師は国民からの高い信頼とニーズに応えられるように研鑽を重ねています。
以上は
週刊朝日
2007年12月28日号
表紙:戸田恵梨香
2007年12月18日発売 より
当オフィスではすべての治療にこのマイクロスコープを用いている。治療時間も一人の患者様に90分確保している完全予約制・完全個室診療だ。
マイクロスコープを用いた診療は少なくとも完全予約制で60分以上のアポイントシステムとしなければその治療効果を発揮するには困難であろう。
マイクロスコープの最大の特徴は治療を受ける方もライブ映像で見る事ができるという点です。
鏡や拡大鏡(ルーペ)を使う程度でしか確認できなかった治療が、マイクロスコープを用いることによりあらゆる角度から拡大して、見ながらの治療が可能となったのです。(しかも、カメラシステムがあれば治療を受けている方にも同時進行でライブ映像で確認や説明・解説が受けられます。)
今までの歯科治療は盲目的・感覚的・密室的に行われてきましたが、見えなかったものが見えるというマイクロスコープを用いた歯科治療は、革新的に治療精度と成功率を向上させ、歯の治療の密室性が開放されたといえるでしょう。
と同時にマイクロスコープを用いていない盲目的な感覚的歯科治療の治療精度についても知ることができるしょう。
患者様にも歯科治療の超精密な作業と難しさを理解できるだけではなく、より深く現状を把握でき治療についての理解も深まるでしょう。
東京医科歯科大学、錦糸町デンタルクリニック、丸の内デンタルオフィス、そしてAdvanced Care Dr.Iritani's Officeで受診されている方々は歯科治療の革新的進化を実感されていると思うのです。
インプラント、3Mix-Mp、エムドゲイン、カリソルブ…。そんな話ではなく、ラバーダム防湿同様に治療ベースに必須なものといえるでしょう。
ところで、歯科医師の1%が持っているとのことだけど、そんなにいる実感はないな…。