咬合と顎関節、そして全身 |
20年前の設立集会から出席していた学会であった。久しく出席していなかったので歯科医学の進化を期待しての出席であった。しかし全く変わらず、大学系は患者を診ずして咬合は分からないという理屈で患者に噛むなという支離滅裂な逃げの保身理論、開業医系は妄想なのか科学は論ぜず自分だけのオレ様自慢。どの診療科目でも大学系学会VS開業医系学会の老害構造。お互いを批判していても臨床でやっていることは全く同じなのに立場が違えば利害で理屈が異なるのである。
歯科医師は咬合を考えて日々試行錯誤しながら診療しているのは当たり前だが、ネット上には意味不明であるが『咬み合わせ』を強く強調し標榜している歯科医院を見受ける。しかしそれは歯科医学に於いてはほとんど全てが我流でありその歯科医のみが空想レベル机上の理屈を語っているだけで歯科医学的には議論すら出来ない状況にある。
歯科医学的に正しい咬合、理想的な咬合とはどんなものであるのかという定義は未だにないからである。大筋多くの歯科医がこうであろうという概念はあるがないので患者のその咬み合わせが正しいのかどうかを医学的に証明すらできないのが現実なのである。
大筋多くの歯科医がこうであろうという概念はあるが
患者がその咬み合わせで良いのかどうかだけである。そこにエビデンスははさほど必要とされない患者の感覚的なものが全てである。
日時 2015.6.7(sun)
テーマ 咬合と顎関節、全身
出席者 歯科医師入谷 歯科衛生士naomi 歯科助手yu
歯科医師になり最初に興味を持ったのは歯ではなく全身であった。20年前の本学会や東洋医学会、口腔外科学会、口腔科学会、心身歯科学会などから自分の歯科医師人生は始まったのである。
その後は歯科医が人を見るには先ず歯の細部を見られなければダメだと感じ、だんだんと全身から歯へとそして歯髄へ興味が移行した。
現在では世界最高峰のマイクロスコープと超高解像度マイクロCTスキャンへと医療機器の進化とともに変化していったわけである。
今現在は歯や顎関節など局所についてはさほど問題とはならないが、口腔を心身社会環境的に快適に機能させるにはどうしたら良いのかを脳医科学的に研究を始めているのである。
歯の先にはヒトがある。
今では多くの歯科医師たちは歯よりもネジコロインプラント、ヒトよりもネジコロインプラント、何よりもネジコロインプラント。
歯を治そうとする歯科医師は少なくなり、日本最大勢力会員数を誇る学会である日本口腔インプラント学会所属歯科医師が超多数派主流派となり、歯を大切にし咬合を語る大御所もすっかりいなくなってしまった。
患者も生涯自分の歯で快適に噛むのは難しくなってきている時代だろう。
.