早いインプラント治療のカラクリ。 インプラント治療注意事項 東京職人歯医者 |
日本のトップであられる小宮山先生のセミナー。
場所 津田塾ホール
日時 2014.7.16
講師 小宮山弥太郎先生
演題 インプラント治療再考
【歯科医師の必要なスキル】
口腔外科で3年以上研修を受けていること。ほとんどの埋伏歯抜歯が15分以内に完了すること。
歯周外科処置遊離歯肉移植術がそつなくこなせること。
補綴処置、半調節性咬合器を日常的に用いて診療を行なっていること。
インプラント埋入を行なうには口腔外科の基本手技・全身麻酔手術の経験、全身管理・麻酔の知識が絶対に必要である。それが必要最低条件となるだろう。口腔外科の基本手技は習得しているが咬合に関して出来なければ補綴専門医との連携が必要である。
従って病院口腔外科に在籍経験のない歯科医師はインプラント治療を行なうにはかなり厳しいということになる。インプラントトラブルのほとんどは口腔外科施設での研修を受けていない歯科医師が起こしている。
患者は手術を受ける歯科医師が口腔外科での経歴があるか否か最低問い合わせる必要がある。
様々な思惑が混在し本来あるべきインプラント治療が成り立たない理由
【患者のニーズ 】 当然背あるが治療期間を短く、安く、安全に
【歯科医師のニース】 治療期間を短く・効率よく利益率高 VS 安全確実重視 コスト高
【メーカーの思惑】 治療期間を短くするために長期安定性を考えたフィクスチャー設計ではなく初期固定を早くした患者ニーズと利益重視の歯科医師のための設計を行なっている。
本来は安全の為に必要な付属品やパッケージ法などコスト削減製品を供給している。患者の安全よりも経済優先、そのために怒ったインプラントトラブルは全て歯科医師へ責任転嫁としている。まるで厚労省や製薬会社の如しである。
患者や術者中心ではなくメーカー側責任逃れな設計。倒産・廃業というリスク。
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人体組織の治癒過程・治癒時間を考えれば『治療期間を短く』という考えは危険かつあり得ない。
しかしそのような生物学的考察が出来ない無知な患者の要求は『治療期間は短く』という要求は当然出てくるだろう。
患者の安全よりも儲けたいという歯科医師は当然『治療期間は短く』を標榜しリスクは患者には伝えずやってしまうだろう。
メーカーは売れれば何でもありなので初期固定がよく早期にインテグレーションしやすい構造のインプラントを開発する。それは長期予後を重視した設計とは裏腹なものになる。
そこが落とし穴なのである。
治療期間が短いということはすなわち長期安定予後と引き換えであることを歯科医師は理解し知っておくべきことだろう。
矯正治療の早い・抜かないと全く同じ現象がインプラント治療にもあるのである。
本来数回かかる補綴治療を一回で終わってしまうようなものである。
患者は早ければ良いので後にトラブになってもそれが原因であることは気付くことはない。
安い早いを標榜する歯科医師には注意が必要だろう。患者にとり都合の良い治療法の裏側には必ずリスクが伴うことを知るべきである。しかしそれを知ることは不可能であることも知るべきであろう。基礎医学を全く知らない患者は簡単に騙せるのである。
人間のカラダは生きているのだから細胞・組織の治癒期間が優先されそれをコントロールすることはさして出来ない。早く治るというのは通常はあり得ないのである。
しっかり安全に治療を受けたいと思うのなら患者は安い’・早いには理由とリスクがあることを知るべきであろう。例外はない。
東京職人歯医者